今、仮想通貨業界で注目のキーワードである「DEX」。
この記事では「DEX」について詳しく解説します。
DEXとは?
DEX(デックス)はDecentralized Exchangeの略称で、日本語に訳すと分散型取引所となります。ウォレットを取引所が管理するのではなく自分で管理する取引所のことを指します。
さらにDEXではユーザー同士が直接仮想通貨を取引できます。
現在主流である中央集権型取引所とは対照的な取引所として、大きな期待を集めている取引所の種類です。
仲介者が存在せずに取引できるのはなぜか
ユーザー同士の取引を実現させているのが、スマートコントラクト機能です。スマートコントラクトとは、あらかじめ設定したプログラムに基づき、契約が自動実行される仕組みのことです。スマートコントラクト機能があれば、仲介者が存在せずとも契約は問題なく成立し、金銭の送受が行われるのです。
DEXのメリット
DEXのメリットには以下のようなものがあります
- 個人と個人(P2P)で取引できる
- 取引所を運営している会社を信用する必要がない
- 登録が簡単
そしてDEXを利用する大きなメリットとして、仮想通貨取引所の破たんやトラブルに左右されず仮想通貨に投資できるという点があります。
2014年に、仮想通貨取引所マウントゴックスが経営破たんに陥った。顧客が保有する75万ビットコインが消失したとして、社長が謝罪コメントを公表し、払い戻しの遅延によって投資家は大きな損失をこうむりました。このような事件は、仮想通貨取引所に仮想通貨を預けていたからこそ起きたとも言えます。
また、2018年には、悪意あるハッカーが日本国内の仮想通貨取引所コインチェックを攻撃し、仮想通貨ネム(NEM)が大量に流出する事件が起きました。この事件を機に仮想通貨のセキュリティが危ぶまれたが、これは仮想通貨の問題というより、仮想通貨取引所の問題と言えます。
それに対して仲介者の存在しないDEXでは、仮想通貨取引所の経営破たんを心配する必要がありません。
DEXはブロックチェーン上のDeFiアプリケーションであり、ブロックチェーン技術は、登場からいまだかつて一度も破られたことがないほど高度なセキュリティを誇ります。仮想通貨取引所を介さず取引するからこそ、安全性の高い取引が実現すると言えます。
さらに、取引にかかる手数料が安いこと、仮想通貨を預けて流動性に貢献することでトークンを受け取れることなども、DEXを利用するメリットです。
DEXのデメリット
一方でDEXには以下のデメリットがあります。
- 利用者がまだ少なく、取引数が少ない
- 手数料が高い
- 取引できるペアが少ない
仲介者が存在しないという画期的な取引形態を実現したDEXだが、デメリットも存在します。
DEXに限らずDeFiアプリケーションや仮想通貨すべてに言えることだが、制度や法律の整備が追い付いていないことだ。DEXの仕組み自体に制限はなくとも、政府の方針によっては、DEXの利用が制限される可能性もあります。また、制度や法律が整備されていないということは、よくも悪くも自己責任であり、トラブルに見舞われたときの相談先も限られます。
このような点を理解し、しっかり情報収集してDEXの利用を始めるとともに、各国政府の規制に関するニュースにも気を配っておくようにしましょう。
まとめ
以上、DEXについて解説しました。